Url ヘルパ ========== Url ヘルパは URL を管理するための一連のスタティックメソッドを提供します。 ## よく使う URL を取得する よく使う URL を取得するために使うことが出来るメソッドが二つあります。 すなわち、ホーム URL と、現在のリクエストのベース URL を取得するメソッドです。 ホーム URL を取得するためには、次のようにします。 ```php $relativeHomeUrl = Url::home(); $absoluteHomeUrl = Url::home(true); $httpsAbsoluteHomeUrl = Url::home('https'); ``` パラメータが渡されない場合は、生成される URL は相対 URL になります。 パラメータとして `true` を渡せば、現在のスキーマの絶対 URL を取得することが出来ます。 または、スキーマ (`http`, `https`) を明示的に指定しても構いません。 現在のリクエストのベース URL を取得するためには、次のようにします。 ```php $relativeBaseUrl = Url::base(); $absoluteBaseUrl = Url::base(true); $httpsAbsoluteBaseUrl = Url::base('https'); ``` このメソッドの唯一のパラメータは、`Url::home()` の場合と全く同じ動作をします。 ## URL を生成する 与えられたルートへの URL を生成するためには、`Url::toRoute()` メソッドを使います。 このメソッドは、[[\yii\web\UrlManager]] を使って URL を生成します。 ```php $url = Url::toRoute(['product/view', 'id' => 42]); ``` ルートは、文字列として指定することが出来ます (例えば、`site/index`)。 または、生成される URL に追加のクエリパラメータを指定したい場合は、配列を使うことも出来ます。 配列の形式は、以下のようにしなければなりません。 ```php // /index.php?r=site%2Findex¶m1=value1¶m2=value2 を生成 ['site/index', 'param1' => 'value1', 'param2' => 'value2'] ``` アンカーの付いた URL を生成したい場合は、`#` パラメータを持つ配列を使うことが出来ます。例えば、 ```php // /index.php?r=site%2Findex¶m1=value1#name を生成 ['site/index', 'param1' => 'value1', '#' => 'name'] ``` ルートは、絶対ルートか相対ルートかのどちらかです。 絶対ルートは先頭にスラッシュを持ち (例えば `/site/index`)、相対ルートは持ちません (例えば `site/index` または `index`)。 相対ルートは次の規則に従って絶対ルートに変換されます。 - ルートが空文字列である場合は、現在の [[yii\web\Controller::route|ルート]] が使用されます。 - ルートがスラッシュを全く含まない場合は (例えば `index`)、カレントコントローラのアクション ID であると見なされて、カレントコントローラの [[\yii\web\Controller::uniqueId|uniqueId]] が前置されます。 - ルートが先頭にスラッシュを含まない場合は (例えば `site/index`)、カレントモジュールに対する相対ルートと見なされて、カレントモジュールの [[\yii\base\Module::uniqueId|uniqueId]] が前置されます。 バージョン 2.0.2 以降では、[エイリアス](concept-aliases.md) の形式でルートを指定することが出来ます。 その場合は、エイリアスが最初に実際のルートに変換され、そのルートが上記の規則に従って絶対ルートに変換されます。 以下に、このメソッドの使用例をいくつか挙げます。 ```php // /index.php?r=site%2Findex echo Url::toRoute('site/index'); // /index.php?r=site%2Findex&src=ref1#name echo Url::toRoute(['site/index', 'src' => 'ref1', '#' => 'name']); // /index.php?r=post%2Fedit&id=100 エイリアス "@postEdit" は "post/edit" と定義されていると仮定 echo Url::toRoute(['@postEdit', 'id' => 100]); // http://www.example.com/index.php?r=site%2Findex echo Url::toRoute('site/index', true); // https://www.example.com/index.php?r=site%2Findex echo Url::toRoute('site/index', 'https'); ``` もうひとつ、[[toRoute()]] と非常によく似た `Url::to()` というメソッドがあります。 唯一の違いは、このメソッドはルートを配列として指定することを要求する、という点です。 文字列が与えられた場合は、URL として扱われます。 最初の引数は、次のいずれかを取り得ます。 - 配列: URL を生成するために [[toRoute()]] が呼び出されます。例えば、`['site/index']`、`['post/index', 'page' => 2]`。 ルートの指定方法の詳細については [[toRoute()]] を参照してください。 - `@` で始まる文字列: これはエイリアスとして扱われ、エイリアスに対応する文字列が返されます。 - 空文字列: 現在リクエストされている URL が返されます。 - 通常の文字列: その通りのものとして扱われます。 `$scheme` (文字列または `true`) が指定された場合は、ホスト情報 ([[\yii\web\UrlManager::hostInfo]] から取得されます) を伴う絶対 URL が返されます。 `$url` が既に絶対 URL であった場合には、そのスキームが指定されたものに置き換えられます。 下記にいくつかの用例を挙げます。 ```php // /index.php?r=site%2Findex echo Url::to(['site/index']); // /index.php?r=site%2Findex&src=ref1#name echo Url::to(['site/index', 'src' => 'ref1', '#' => 'name']); // /index.php?r=post%2Fedit&id=100 エイリアス "@postEdit" が "post/edit" と定義されていると仮定 echo Url::to(['@postEdit', 'id' => 100]); // 現在リクエストされている URL echo Url::to(); // /images/logo.gif echo Url::to('@web/images/logo.gif'); // images/logo.gif echo Url::to('images/logo.gif'); // http://www.example.com/images/logo.gif echo Url::to('@web/images/logo.gif', true); // https://www.example.com/images/logo.gif echo Url::to('@web/images/logo.gif', 'https'); ``` バージョン 2.0.3 以降では、[[yii\helpers\Url::current()]] を使って、現在リクエストされているルートと GET パラメータに基づいて URL を生成することが出来ます。 `$params` パラメータを渡して、GET パラメータの中のいくつかを修正したり削除したり、または新しい GET パラメータを追加したりすることが出来ます。 例えば、 ```php // $_GET が ['id' => 123, 'src' => 'google'] であり、現在のルートが "post/view" であると仮定 // /index.php?r=post%2Fview&id=123&src=google echo Url::current(); // /index.php?r=post%2Fview&id=123 echo Url::current(['src' => null]); // /index.php?r=post%2Fview&id=100&src=google echo Url::current(['id' => 100]); ``` ## URL を記憶する URL を記憶して、後に続く一連のリクエストの一つを処理するときに、記憶した URL を使わなければならないという場合があります。 これは、次のようにして達成することが出来ます。 ```php // 現在の URL を記憶する Url::remember(); // 指定された URL を記憶する。引数の形式は Url::to() を参照。 Url::remember(['product/view', 'id' => 42]); // 指定された名前で URL を記憶する。 Url::remember(['product/view', 'id' => 42], 'product'); ``` 次のリクエストで、記憶された URL を次のようにして取得することが出来ます。 ```php $url = Url::previous(); $productUrl = Url::previous('product'); ``` ## 相対 URL かどうかチェックする URL が相対 URL であること、すなわち、URL がホスト情報の部分を持っていないことを確かめるために、次のコードを使うことが出来ます。 ```php $isRelative = Url::isRelative('test/it'); ```