。
別の選択肢として、`php:` という接頭辞を付けた文字列を使って、PHP の [date()](http://php.net/manual/ja/function.date.php) 関数が認識する構文を使うことも出来ます。
```php
// ICU 形式
echo Yii::$app->formatter->asDate('now', 'yyyy-MM-dd'); // 2014-10-06
// PHP date() 形式
echo Yii::$app->formatter->asDate('now', 'php:Y-m-d'); // 2014-10-06
```
### タイムゾーン
日時の値をフォーマットするときに、Yii はその値を [[yii\i18n\Formatter::timeZone|設定されたタイムゾーン]] に変換します。
従って、入力値は、タイムゾーンが明示的に指定されていなければ、UTC であると見なされます。
この理由により、全ての日時の値を UTC、それも、なるべくなら、定義によって UTC であることが保証されている UNIX タイムスタンプで保存することが推奨されます。
入力値が UTC とは異なるタイムゾーンに属する場合は、次の例のように、タイムゾーンを明示的に記述しなければなりません。
```php
// Yii::$app->timeZone は 'Asia/Tokyo' であるとします。
echo Yii::$app->formatter->asTime(1412599260); // 21:41:00
echo Yii::$app->formatter->asTime('2014-10-06 12:41:00'); // 21:41:00
echo Yii::$app->formatter->asTime('2014-10-06 21:41:00 JST'); // 21:41:00
```
バージョン 2.0.1 からは、上記のコードの二番目の例のようにタイムゾーン識別子を含まないタイムスタンプに対して適用されるタイムゾーンを設定することも可能になりました。
[[yii\i18n\Formatter::defaultTimeZone]] を設定して、データストレージに使用しているタイムゾーンに合わせることが出来ます。
> Note|注意: タイムゾーンは世界中のさまざまな政府によって作られる規則に従うものであり、頻繁に変更されるものであるため、あなたのシステムにインストールされたタイムゾーンのデータベースが最新の情報を持っていない可能性が大いにあります。
> タイムゾーンデータベースの更新についての詳細は、[ICU マニュアル](http://userguide.icu-project.org/datetime/timezone#TOC-Updating-the-Time-Zone-Data) で参照することが出来ます。
> [PHP 環境を国際化のために設定する](tutorial-i18n.md#setup-environment) も参照してください。
数値をフォーマットする
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数値をフォーマットするために、フォーマッタクラスは次のメソッドを提供しています。
- [[yii\i18n\Formatter::asInteger()|integer]] - 値は整数としてフォーマットされます。例えば `42`。
- [[yii\i18n\Formatter::asDecimal()|decimal]] - 値は小数点と三桁ごとの区切りを使って十進数としてフォーマットされます。例えば `2,542.123` または `2.542,123`。
- [[yii\i18n\Formatter::asPercent()|percent]] - 値は百分率としてフォーマットされます。例えば `42%`。
- [[yii\i18n\Formatter::asScientific()|scientific]] - 値は科学記法による数値としてフォーマットされます。例えば `4.2E4`。
- [[yii\i18n\Formatter::asCurrency()|currency]] - 値は通貨の値としてフォーマットされます。例えば `£420.00`。
- [[yii\i18n\Formatter::asSize()|size]] - バイト数である値が人間にとって読みやすいサイズとしてフォーマットされます。例えば `410 キビバイト`。
- [[yii\i18n\Formatter::asShortSize()|shortSize]] - [[yii\i18n\Formatter::asSize()|size]] の短いバージョンです。例えば `410 KiB`。
数値のフォーマットに使われる書式は、デフォルトではロケールに従って設定される [[yii\i18n\Formatter::decimalSeparator|decimalSeparator]] と [[yii\i18n\Formatter::thousandSeparator|thousandSeparator]] を使って調整することが出来ます。
更に高度な設定のためには、[[yii\i18n\Formatter::numberFormatterOptions]] と [[yii\i18n\Formatter::numberFormatterTextOptions]] を使って、内部的に使用される [NumberFormatter クラス](http://php.net/manual/ja/class.numberformatter.php) を構成することが出来ます。
例えば、小数部の最大桁数と最小桁数を調整するためには、次のように [[yii\i18n\Formatter::numberFormatterOptions]] プロパティを構成します。
```php
'numberFormatterOptions' => [
NumberFormatter::MIN_FRACTION_DIGITS => 0,
NumberFormatter::MAX_FRACTION_DIGITS => 2,
]
```
その他のフォーマッタ
--------------------
日付、時刻、そして、数値の他にも、Yii はさまざまな状況で使える一連のフォーマッタを提供しています。
- [[yii\i18n\Formatter::asRaw()|raw]] - 値はそのまま出力されます。`null` 値が [[nullDisplay]] を使ってフォーマットされる以外は、何の効果もない擬似フォーマッタです。
- [[yii\i18n\Formatter::asText()|text]] - 値は HTML エンコードされます。
これは [GridView DataColumn](output-data-widgets.md#data-column) で使われるデフォルトの形式です。
- [[yii\i18n\Formatter::asNtext()|ntext]] - 値は HTML エンコードされ、改行文字が強制改行に変換された平文テキストとしてフォーマットされます。
- [[yii\i18n\Formatter::asParagraphs()|paragraphs]] - 値は HTML エンコードされ、`` タグに囲まれた段落としてフォーマットされます。
- [[yii\i18n\Formatter::asHtml()|html]] - 値は XSS 攻撃を避けるために [[HtmlPurifier]] を使って浄化されます。
`['html', ['Attr.AllowedFrameTargets' => ['_blank']]]` のような追加のオプションを渡すことが出来ます。
- [[yii\i18n\Formatter::asEmail()|email]] - 値は `mailto` リンクとしてフォーマットされます。
- [[yii\i18n\Formatter::asImage()|image]] - 値は `image` タグとしてフォーマットされます。
- [[yii\i18n\Formatter::asUrl()|url]] - 値はハイパーリンクとしてフォーマットされます。
- [[yii\i18n\Formatter::asBoolean()|boolean]] - 値は真偽値としてフォーマットされます。
デフォルトでは、`true` は `Yes`、`false` は `No` とレンダリングされ、現在のアプリケーションの言語に翻訳されます。
この振る舞いは [[yii\i18n\Formatter::booleanFormat]] プロパティを構成して調整できます。
`null` 値
---------
PHP において `null` である値に対して、フォーマッタクラスは空文字ではなくプレースホルダを表示します。
`null` のプレースホルダは、デフォルトでは `(not set)` であり、それが現在のアプリケーションの言語に翻訳されます。
[[yii\i18n\Formatter::nullDisplay|nullDisplay]] プロパティを構成して、カスタムのプレースホルダを設定することが出来ます。
`null` 値の特別な扱いをしたくない場合は、[[yii\i18n\Formatter::nullDisplay|nullDisplay]] を `null` に設定することが出来ます。